忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

サークル「ふらふら辞書の角」(15さん)の「アイネクライネ」所感。
読まれてない方は先に読んでから!BOOTHのURL置いときますんで、是非是非! https://15san.booth.pm/items/43032
ネタバレしかしてません。そして箇条書きです、スミマセン…。15さんに捧げたイメージイラストの解説も最後に載せてます。










・五月雨のカウンセリングを担当していた保険医は彼女を救うためにいたのかも=艦娘時代の提督なのでは? と思っていたけど、先日の15さんのツイートで提督を意識していたとわかって、ああやっぱりという気持ち。

・「あなたといると、いつも自分が人間になったような気がして、幸せなのよ。だから、ずっと一緒にいたいのかなあ」
 ”五月雨が諦めていた人間らしさというものを拾い上げ、大切に磨いて、再び手渡してくれたのが夕張だった。だからこんなにも好きになったのだ。”
 二人とも思うことは同じなんだなと。好きなんです(小並感)

・結局、どちらの世界線でも夕張の死を直接見届けられることがなかった五月雨。前に15さんが「夕張さんが沈んだ場に五月雨ちゃんがいなかった場合が彼女にとって最も不幸な事態」(うろ覚えですみません…)とツイートされていたのを思い出す。救えたかもしれないということを考えるとその通りだなと感じる。

・「でも、いつかは、記憶の延長線上じゃなくて私たちは私たちとして生きましょう」
 「いつか過去の夢を見なくなったら、本当の名前を教えてくれる?」
 とても好きな夕張の台詞。ずっと過去にとらわれて生きてきた五月雨ちゃんに初めて未来を考えさせてくれた言葉だと思っている。これらがなかったら彼女は夕張の喪失からは立ち直れなかったのではないか。

・夕張はその身を以て、五月雨がひとりで背負っていた記憶を海の底へ沈めてあげたんじゃないかとすら思う。確かに事故死ではあったけれど、”このままではいけない”と感じていた彼女だから。

・五月雨からすれば夕張は、”息絶えてあぶくになるなんて綺麗な消え方”をしなくてよかった。”夕張の遺体を弔う”というのが彼女の命題であり、”人間らしく供養して墓を立ててやるということがとても大切なことのように思えた”から。
 ”人間らしくあることが幸せ”だと艦娘だったころ夕張に教わっていた。愛する彼女に教えてもらったことは、五月雨の中でずっとずっと生きている。

・現代の夕張が死に際に五月雨の髪飾りが羨ましかったのを思い出し、死んでも手放さなかったそれを、最終的にはもう一人の自分である深海棲艦夕張が持ち帰ってしまって(しかもそれに満足してついに姿を見せなくなる)。未練だけで五月雨を追ってきたのだから当然といえば当然なんだけど、現代の夕張=艦娘の夕張=深海棲艦の夕張であるというのはそういうことなんだなと。本当、いつまでもどこまでも執念深い。



・闇が深い話だけど、ハッピーエンドであったという印象。五月雨ちゃんはあの記憶を自分が見ていた夢だったと思うことにしたけど、「夕張」が眠っている地に足をついて歩いていける、その事実だけはきっと大事に胸にしまっておくんだろう。”記憶の延長線上じゃなく~”と夕張と約束したのだからこれでよかった。それを守ろうと、過去ではなく未来に生きようとする彼女の心がたくましくて好き。断髪五月雨ちゃん万歳。

・夕張さんは死ぬ直前に自分のことを思い出して後悔ばかりして死んでしまったけど、それが五月雨ちゃんが前に進む結果になったのだからなんとも……もちろん彼女には生きていてほしかったし、その場合の続きも読みたくはあるけど。でもアイネクライネの場合、どう頑張っても夕張さんはいなくなってしまうんじゃないか、その結末だけは変わらないんじゃないかと、なんとなく思う。



・ゆうさみはこういう運命にあるけれど、それは決して不幸な結末ばかりではないというお話かな、と。何度も巡り会うゆうさみの運命力ってすごいんだなってめちゃくちゃ思いました。本当に本当に素晴らしい作品をありがとうございました。




【イメージイラストについて】


1.五月雨ちゃん
表紙の五月雨ちゃんがあまりにも美しくて、一番最初に描き上げたイラストです。
薄荷色のリボンがとてもよく似合っているなぁと。自分が基調としていた色と同じ色をした髪飾りだったから夕張さんも嫉妬したのかな。



2.最後の共寝
大好きなシーンのひとつ。
愛しい人の部位を唇でひとつひとつ確かめる夕張と、それをぼんやりと見つめている五月雨。奇跡のような朝。



3.墓参り
まさかの断髪五月雨ちゃんで口から心臓が出そうになった。未練が完全になくなった彼女らしい行動だなと感じます。主人公が五月雨ちゃんじゃなかったら本当にどうなってたんだろうこの物語……。



4.ドーナツホール
最後の章、夕張さんサイドのテーマが「ドーナツホール」(https://www.youtube.com/watch?v=qnX2CdOBcDI)と聞いていたので。
五月雨ちゃんが「アイネクライネ」(https://www.youtube.com/watch?v=-EKxzId_Sj4)で、夕張さんが「ドーナツホール」。聴けばその理由がわかります。
”この胸に空いた穴が今 あなたを確かめるただ一つの証明 それでも僕は虚しくて 心が千切れそうだ どうしようもないまんま”
PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
E-Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール

name : 繆
 イラスト倉庫です。
 (pixiv)

Template "simple02" by Emile*Emilie
忍者ブログ [PR]